ネ言 negen

たいしたことは書きません

プハー

毎日新聞から。ビールと日本語の話。
 暮らしWORLD:積年のフシギ ビール

 品書きを見るまでもなく、おしぼりで顔をふきふき、ついつい口にしてしまうあのセリフ。間違っても「とりあえず」に続いて「焼酎のお湯割り、梅干し入れて」とはならない。ビールの枕ことばとしての「とりあえず」。思えば、フシギ、この上ない。
そもそも「とりあえず、ビール」なるセリフ、いつから言われはじめたか? …(中略)…さらなる追跡は……、困難を極めそうでギブアップ。

をいをいちゃんと調べてくれよ。……と思ったけど、俺も調べきれなかったのでギブアップ。まあ、普通に考えれば、
 (1) ビールの他にもいろんな食い物や飲み物を注文しますよ
 (2) ビールは(他のアルコールも含めて)一杯目がオイシいんですよ
 (3) となると最初に頼むべきはビールでしょ
という思考回路のものに「とりあえず」が発せられるんだろう。確かに「とりあえず」が出やすいのはビールだけだなあ。
 (4) とりあえず、お通し。
 (5) とりあえず、前菜。
 (6) とりあえず、チーズバーガー、ピクルス抜きで。
 (7) ご一緒にポテトはいかがですか?
 (8) とりあえず、っつってんだろ、ゴルァ!
 (9) ポテトは食後に、ということですね。
途中から脱線……。つかれてるな。
「とりあえずビール」という名称のビールを売り出せば大ヒット間違いなしだね。

 それはともかく、次なるフシギは、ぐぐっとビールをのど奥に流し込んだあと、思わずこぼれる「プハー」。…(中略)…われわれ凡人はやっぱり「プハー」である。ビールを飲んだぞって感じがよく出る。
オノマトペ(擬音語・擬態語)研究の第一人者、埼玉大教授の山口仲美さんに聞いてみる。「私の調査では、ブッハーというさらに強烈な語も出てきます。いずれにしても新しい擬音語。女性がビールを飲んで気炎をあげてもおかしくなくなってからでしょうね。女性も仕事したあと、仲間と乾杯、う、うまい。ブッハーとなるんです。2000年の週刊誌には出ていましたが、古くてもここ10年くらいですね」

同じ両唇音でも[m]だと、
 (10) ムハー / ムッハー
となり、非常にエロチックでおピンクで変態エロオヤジ的で薄着の女性にムラムラしてもう少しで理性を失いそうで、いや私にも立場というものが、でもチラッと見ちゃえ、ええのう、目の保養になるのう、あ、目が合った、やべえ的なニュアンスを醸し出すのは何故なんだろう(非常に謎)。なんか、オヤジの口からモワーッとくさい息が出てきそうな感じ。
破裂音[p][b]の瞬発的なイメージと、鼻音[m]のねっとりまとわりつき的なイメージが、違いを生み出すんじゃなかろうか。