筆箱
小学生の頃の筆箱と言えば、やたらとデカくて、やたらとフタが付いてて、やたらと物が入ったりしたものだ*1。両面にフタが付いているのは当たり前、挙げ句には消しゴム専用の収納フタがあったりする。それぞれのフタはマグネットで閉まるのだ。
で、フタを開けたら開けたで、飛び出す絵本のごとく、中が二段になっていて、シャキーンと出てきたり、消しゴムや鉛筆が飛び出てきたりする。もちろん、フタの裏側はポケットが付いていて、定規とか入れられるようになっていたり、時間割の紙が挟めるようになっているのだ。
同世代の人はイメージできると思うが、例えば、↓こんな感じ。
http://www.maboroshi-bungu.com/01bungu/b1/b1-30.htm
当時は、その無駄に可動部分と収納部分が多い筆箱が、一種のステータスだったのだ。
フタの表面がソフトビニールで、あっという間に破れたり、金具が壊れてうまく稼働しなくなったりと、多機能性と利便性が反比例しているような存在だったが、なぜかみんな持ってたのだ。
あれって、なんで、欲しいと思うのだろうか。多機能、多収納ってのが、小学生になりたての年代にとってはかなり魅力的なものなのかもしれない。
ぐぐってみると、今でもそういう多機能筆箱は売っているようだ。
http://www.rakuten.co.jp/kami-bungu/246843/259633/289535/
http://www.rakuten.co.jp/kami-bungu/246843/264757/289545/
今の小学生も買うのだろうか*2。
しかし、当時のステータスも小学校の低学年まで。高学年になると、ステータスはいわゆる「カンペン」に移行する。boxyとかね。シンプルかつ必要最小限のものしか収納しない、ただの薄っぺらい鉄の箱に移り変わるのだ。高学年になってもデカい筆箱を使ってたら、「ガキくせえ」と言われたり言ったりした*3。
あの嗜好の変わり目にはいったい何があるのだろうか。興味深いところではある。
今じゃ、筆箱、筆入れなんて持っちゃいない。黒ペンと赤ペンを胸ポケットに刺すか、鞄に直接放り込んで持ち歩く。でも、これで必要十分なんだよね*4。