肉汁
ローソンのジューシーハンバーグ弁当を喰った。「肉汁たっぷり」って謳ってるけど、どこがジューシーやねん!というぐらいパサパサしてた。まあ、コンビニ弁当にそこまで求めてもしょうがないわけだが。
そんなことはどうでもよくて。「肉汁」って「にくじゅう」と読む。これを「にくじる」と読んでいる人が多い。グルメ番組なんかでもよく耳にしますな。
違和感を持っている人もいるみたいだが、こんなのを見ると↓、
http://contents.kids.yahoo.co.jp/shokuiku/manner/table_1/04.html
先に全部切っておいて、フォークを右手に持ちかえて食べる人がいるけれど、おいしい肉汁(にくじる)がでてしまうから、やめたほうがいい。それに、正式なレストランでは、マナーを知らない人に見られてしまうよ。
食育の前にちゃんと教育しようよ、とか思う。
「汁」を「しる」と読むか「じゅう」と読むかが問題なわけだが、「汁」の付くことばを集めてみると、その傾向性が何となく分かる。
・「汁」→「しる」
味噌汁、豚汁、けんちん汁、つみれ汁、あら汁、お汁粉……
・「汁」→「じゅう」
肉汁、果汁、墨汁、胆汁……
「しる」のほうは前項要素が「汁」の構成物なのだ。味噌汁は汁の中に味噌が入っている(溶け込んでいる)、豚汁は汁の中に豚(の肉)が入っている……。
一方、「じゅう」のほうはそうなっていない。前項要素は「汁」の出所と位置付けられる。「肉汁」は「肉から出てきた汁」、「果汁」は「果物から出てきた汁」、墨汁も胆汁も墨や胆のうから出てきた汁だ。
関係を図にすると、
「しる」:前項要素<汁
「じゅう」:前項要素>汁
こんな感じか? 「しる」は汁が前項要素を所有する関係、「じゅう」は前項要素が汁を所有する関係と考えられるだろう*1。
このような、読みと語構成のルールを踏まえると、やっぱり「にくじる」はおかしいのだ。「にくじる」は、豚や牛や鳥やいろんな肉が汁物の中にどばーっと入ってるイメージがする。ちなみに「にくぢる」にするともっと変。何の肉か分からない肉が入ってそうだ。
*1:「お汁粉」は例外と見るべきか?