学会発表の原稿(下)
昨日の続き。発表原稿を作るにあたって、レイアウトの参考のために*1 過去の予稿集をつらつらと眺めていたのだが、なんというか、読みにくい、読みづらい、目がしぱしぱするレイアウトのものが非常に多いのが印象に残った。
もちろん、学会発表なんだから内容勝負なんだろうけども、もうちょっと目に優しい作り方をしてもいいんじゃない? とか思ったりする。ぱっと見で「読みにくそう」と思われちゃうと、読者の気持ちは半分以上そがれるのだ。それは内容の理解にも影響を与えかねない。
人に「読みにくい」と思われるレイアウトのポイントは、だいたい次のような感じ。
(1) 行間が狭すぎ (2) 字間が広すぎ (3) 文字が大きすぎ/小さすぎ (4) 全部同じフォント (5) 用例をインデントしていない
この中で読みにくさにもっとも強く影響を与えるのが、(1)の行間である。これが狭いレイアウトが多い。たしかに、行間を狭くすれば行数が稼げるので、その分、たくさんの内容を詰め込むことができる。でも、それが逆に「読みにくい」という印象を与える結果になってしまっては、本末転倒だろう。詰め込むよりは、最小限のポイントを「見やすく」提示するほうがよっぽどいい。そのためには、行間をある程度広く設定しておかなければならない。
どのくらいがいいのかは、個人的な感覚によるところが大きいけれど、1ページあたり30〜35行ぐらいがいいような気がする。それより行数が増えると、行間が狭いと感じられる。40行オーバーなんかは論外。
行間とは逆に(2)の字間は狭いほうがいい。というか、隣同士の文字の枠がぴったりと密着してるのが理想。妙に字間があいたレジュメを時々見るけど、やっぱり読みにくいのだ。
(3)の文字の大きさは、小さすぎると目に厳しいけど、大きすぎてもかえってダメ。N語学会予稿集の大きさであるB5サイズだと、大抵のワープロのデフォルト値である10.5ポイントは意外に大きすぎなのだ。これは、(1)の行間と密接に絡んでいて、文字が大きすぎると行間が狭く感じられてしまうためである。行間を狭く感じさせないためには、適度な文字の大きさを心掛けなければならない。
(4)はせめて節タイトルぐらいはゴシックとかの(本文と)違うフォントにしましょう、ということ。段落や展開の切れ目を視覚的にはっきりと示さないと、これも読みにくいものとなる。タイトル以外にも重要な表現や語句に異なるフォントを使って目立たせてもいいけど、こっちの場合、あまり使いすぎるとかえってごちゃごちゃして目が疲れるレイアウトになる。よく、本文の重要な部分にアンダーラインを引きまくってるものを見かけるが、逆に疲れるのよ、アレって*2。
(5)は用例を字下げしていないと、本文と混ざってしまって読みにくいってこと。さらに理想を言えば、用例と本文の間は1行空きか通常の行間よりも広くあいてるのが美しい。
……ここら辺をきちんと守れば、それなりに読みやすいレイアウトが作れる。
雑誌論文なんかと違って、発表は「見た目」ってのもポイントの一つだと思うし*3、そこら辺を発表者が自由にできる学会なので、発表するにあたってはこういったところにも気を配ってほしいなあ、と思う今日この頃。
自分も気を配り切れているかちょっと自信がないけどね。