ネ言 negen

たいしたことは書きません

B.J or not B.J

なんか新シリーズになったかと思ったら、ただタイトルが変わっただけだった「ブラック・ジャック21」。なんだ、その「21」って。意味不明。

テレビアニメ版ブラック・ジャック*1手塚眞監督脚本作品であるが、原作をあまりにも逸脱しまくった改変、改悪っぷりな脚本に嫌気がさして途中で見るのをやめていた。

特に、レギュラー化する前のスペシャル版「ブラック・ジャック スペシャル 〜命をめぐる4つの奇跡〜」*2での、「ときには真珠のように」*3の改悪がひどかった。ラストシーンでB.Jに恩師のメスを投げ捨てさせる暴挙に出た。コレを見た瞬間、口あんぐりだった。この話はブラックジャックの中でも屈指の名作なのに、なんだ、その腐れ切った後付脚本は! と当時思った。今でも思っている。

「U-18は知っていた」*4も意味不明な母性愛ものになっちまってたし。変に設定や展開をいじるもんだから、薄っぺらい似非ヒューマンドラマに成り下がってた。未見だが、今年だか去年だかの映画「二人の黒い医者」もひどい出来だったらしい……。

レギュラー後の脚本もひどい。なんでラルゴが助かるんだよ。助かったら、今までの展開の意味づけが軽くなるじゃんか。そこら辺であきれてしまって、テレビ版は見るのをやめた。

んで、たまたまテレビを付けたら「21」なんてオプションが付いてたので、思わず見てしまった昨日の夜。今回の話は、「獅子面病」*5と「報復」*6という二つの作品の奇妙なコラボレーションだった。もうその時点で、orzなわけだが、ラストの展開がさらに気にくわない。

え? 5億円? え? オペしちゃうの?

……原作「報復」では医師会会長が渡した医師免許をB.Jが無言で破くところで終わっている。瀕死の医師会会長息子をオペしたか、そして助かったかどうかは分からないのだ。その、考えさせられる深い読後感をあっさりと破棄して、B.Jはオペしてしまう。まあ、オペの結果は不明なままだったけれど。

あのなあ、似非ヒューマンドラマに仕立て上げて何が楽しいのよ?

もはや、改悪の域を超えて、冒涜に等しい。もうやめてくれ。


参考サイト
 ブラック・ジャック オフィシャル・サイト
 ブラックジャック掲載順リスト
 YTV アニメーションON THE WEB

*1: 2004年10月11日O.A.開始。

*2: 2003年12月22日O.A.。

*3: 雑誌掲載時は第29話(1974年7月1日)、少年チャンピオンコミックスでは第25話。本間丈太郎の名セリフ「医者が生きものの生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね……」が出てくる。

*4: 雑誌掲載は増刊号ブラックジャック特集号(1976年3月10日)、少年チャンピオンコミックスでは第94話。

*5: 雑誌掲載時は第33話(1974年7月29日)、少年チャンピオンコミックスでは第26話。

*6: 雑誌掲載時は第88話(1975年9月1日)、少年チャンピオンコミックスでは第73話。