ネ言 negen

たいしたことは書きません

難解な日本語

まず、次の文を読んでもらいたい。

二人が向かった先は地元で有名なスーパーに足を踏み入れた。

非文*1だよね? 俺の内省正しいよね?
これ、日本で販売されているれっきとした小説の中の一文らしい。「らしい」というのは、俺がまだ原典に当たってなく、確認取れてないから。だから、ここでの引用は全て孫引きになってる点を断っておく。だもんで、小説のタイトルとかは明示しない。だけど、引用文の信憑性は高い。つまり、作者がわざと間違っているのではなく、本気で間違っているということ。
その小説の中には、他にも、

いざ、着地してみるとそこは森の様な草むらに二人は降り立っていた。

三人は分かち合うように抱き合った。

この話は人々の間とともに長く受け継がれていく。

などなど。あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ー。俺の内省を破壊する気かっ!*2 日本語の乱れとか変化とかの域をはるかに超えているぞ。つーか、こんな文が羅列してある紙束が商業ベースに乗って売れまくってただよ。信じられねっすよ。(調べてみれば分かるが、これ、ベストセラーだったのだ。)
日本語を研究している身分からしてみると、こんな文が「実例」として世に出てることに、なんか、憤りを感じますよ。さとう珠緒ばりに怒っちゃうぞ、ぷんぷん。
ただし、俺はまだ原典を読んでないので、これ以上のコメントは今のところ避けておこう。どうやら版を重ねるごとに校正されて、上のような表現は無くなっているみたいだし。でも気になるな、買っちゃおうかな……。
最後にもう一つ、小説内の文章を引用しておこう。

宮殿では朝食の時間を迎えており、メイド達が次々と豪華な料理を運び出していた。
それは朝食とは思えないほどの豪華さで、一般市民がこの料理を見たらこれが本当に
朝食か?と目を仰天させるに違いない。これだけで一般市民との差は歴然と離れており、
王様が毎日どのようにして暮らしているかはこの朝食だけでも想像がついてしまう。
なおも料理は運び込まれていく。
王様の目の前に全ての料理が出そろった。豪華で目を見張るほどの大きなテーブル。
目の前には全てが金で作られているナイフやフォーク。
そして、背もたれが必要以上に天井へと伸びている豪華なイス。
全てが”豪華”これ以上の単語が見当たらない程、豪華であった。

……ふぅ、文章表現の先生の血管が切れそうな文字列(もはや文章とは呼べない)ですな。
小説が手に入ったら続きを書くつもり。

*1:文法的に誤っている文のことを「非文」と呼ぶ。文頭に“*”を付したりもする。要は、直感的に変だと感じる表現のこと。

*2:俺の内省は厳密かつ精密なので、いろんな人から重宝される。←自画自賛