ネ言 negen

たいしたことは書きません

真・難解な日本語3

今日は小ネタで。

上半身から下半身全てにかけてが迷彩服 (『リアル鬼ごっこ』(文芸社), p.94)

えー、それは「全身」と言わないか、普通。上半身から下半身全てにかけてタイツ=全身タイツ、上半身から下半身全てにかけて裸=全裸。上半身から下半身全てにかけてクールビズ=省エネスーツ(違。

これ程までの犠牲者を出した計画が今日で最終日とあれば、大スクープ (同, p.282)

いや、これ、ストーリーでは、鬼ごっこ計画とその日程は全国民が周知しているという設定ですから。誰もが知ってることをスクープとは言いませんよ。これは例えば、

 (1) 大スクープ! 明日から夏休み!!

がメチャクチャ変なのと同じ。まあ、夏休みもへったくれもない職場という文脈状況だったら、解釈できそうではあるが、その場合でも「大ニュース」を用いるだろう。本来のスクープの意味は、報道関係の記者が、他の記者の知らぬうちに重大ニュースをさぐり出して報道すること。また、その記事(エキサイト辞書より)。つまり、他の人が知らないことを伝えるのがスクープであって、知ってることを伝えたってスクープにはならんのだ。作者はスクープの意味を間違ってる。おそらく「ニュース」と同程度の意味合いで使ってるんだろう。

昨日は一度も追いかけられなかった翼の心の奥底は多少甘い考えは今でも持っていた。
 (同, pp.88-89)

うわw この文の主語はどれですか? って学生に聞いてみたい。文章表現の先生も文法研究の先生も、苦虫を噛み潰したような顔をしてしまいそうな例文ですな。

最後に。

そこには目の前に九人の鬼達が翼を囲むようにして全ての鬼が地面に落ちた翼をゴーグル越しに見据えている
 (同, p.311)

うはっw わけわかんねーよ。誰が何をどうしているのかさっぱりわかんねーw